さまざまな動物たちが、自分は地球上のどこにいるのか、どちらへ向かっているのか、迷うことなく感じ取る能力を持っているのです。これは地球の磁場を感じているためだと考えられていますが、実際それを可能にする器官がどこにあるのかは、50年近い研究が続けられているにもかかわらず、未だに解明されていませんでした。細菌が磁場に関連すると言われても、すぐにはピンと来ませんが、バクテリアの中には外界から鉄イオンを細胞内に取り込み、マグネタイト(磁鉄鉱)の結晶を作り出すものがいます。
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老化しない? 100歳超えて生きた人の腸内細菌叢(そう)
100歳を超えても健やかに生きる人たちは、腸内が傷つきにくい暮らしをしているのだそうです。彼らを研究して、著書「幸福寿命 ホルモンと腸内細菌が導く100年人生」を上梓した慶応大医学部の伊藤裕教授に、腸内細菌叢(そう)を豊かにして、幸福寿命を延ばすために見習うべき百寿者の食習慣などについて聞きました。
健康寿命より「幸福寿命」 カギは腸内細菌!?
幸福寿命のカギを握るものは何でしょうか。実は、その大事な要素の一つは、腸内細菌なのです。ご存じのように腸内細菌は、私たちの腸の中に住んで共生しています。昔から、「野菜は大事」とよくいわれていました。でもなぜ大事なのかについては、便通が良くなる程度のことしか説明されませんでした。食物繊維が腸内細菌のエサになっていることがわかってきたのは、最近のことです。きっと先人は、野菜を食べることの効用を体験的に学んでいたのでしょう。
ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?
堺市内で見つかった細菌が世界の注目を集めている。ペットボトルを「食べる」性質があり、プラスチックごみ対策の切り札にしようと各国で研究が進んでいる。プラごみによる海洋汚染が国際的な問題となっており、プラごみ削減は今月末に大阪市で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議の主要テーマのひとつ。大阪発の細菌が世界規模の課題の救世主となるかもしれない。
土に触れる生活が心身の健康につながる。抗ストレスの妙薬は「土壌」にあった:研究結果
土壌に生息する細菌に、抗炎症や免疫調節、ストレス耐性などの性質がある──。そんな研究結果を、米国の研究チームが発表した。アレルギーやメンタルヘルス障害の原因のひとつとして、わたしたちが泥や土に触れる生活から離れたことも影響していると示唆されている。
プラスチックを「食べる」酵素に賭ける リサイクルの未来
環境汚染の深刻な原因となっているのが、プラスチックごみだ。そのプラスチックを分解するため、英ポーツマス大学の研究チームが自然由来の酵素の改良に取り組んでいる。ペットボトルの原料ポリエチレンテレフタラート(PET)は、自然環境下では分解されるのに何百年もかかる。しかし、日本の科学者が発見したPETaseと呼ばれる酵素は、PETをわずか数日で分解し始める。
超清潔社会は健康にマイナスか──密閉されたオフィスとマイクロバイオーム
ヒトの体のなかに棲む微生物の集合体、マイクロバイオーム。わたしたちがはたらくオフィスも、大量の微生物に囲まれたひとつの巨大なマイクロバイオームだ。閉めっぱなしの窓や機械任せの換気、行き過ぎた潔癖主義は、この微生物群を変化させ、あなたの健康に悪影響を与えているかもしれない。