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植物にも学習能力がある?

植物にも動物と同じような学習能力や記憶力があるとする研究結果が生態学の雑誌『Oecologia』に掲載された。研究に関わったのは、西オーストラリア大学進化生物学センターの研究チーム。モニカ・ガガリアーノ博士を始めとする研究者たちは、ミモザの葉に断続的に水滴を垂らして刺激を与え、その反応を観察した。最初は、水滴の刺激を受けたミモザは葉をすぐに閉じていたが、継続しているうちに葉を閉じなくなることが分かった。

安全か危険か GM作物の毒性は2年間の実験で分かるのに行われない不可解

遺伝子組み換え(GM)作物について、多くの人が不安に感じているのは、人間が食べて大丈夫なのだろうかということだろう。なかでも関心が高いのが発がん性だ。では、本当にがんになるのかといえば、よくわからない。通常、食べ物の毒性はラットに食べさせて実験する。これは遺伝子組み換え食品でも同じだ。ただし毒性試験は90日間。これを人間に当てはめれば、通常はわずか10年にすぎない。

科学者「肉生産量のピークに備えよ。これ以上増やすと地球があぶない」

不運なことに、食肉産業による二酸化炭素排出量は増加しています。そしてこのまま肉の消費量が増え続けると、2030年までに食肉が占めるCO2排出量はかなり大きくなります。なので、消費量を減らさないといけません。世界中の科学者たちは、中〜高所得国に対して、食肉産業の成長にストップをかける期日を決めるように呼びかけていますよ。

ストレスを受けた植物は「超音波の悲鳴」を上げていると研究で判明

今回の実験では植物の種類とストレスの種類に応じて、音を発する頻度に違いが出ることもわかりました。たとえば干ばつ状態に置かれたトマトは平均して1時間あたり35回、切り傷を付けられたトマトは1時間あたり25回ほど音を鳴らしました。一方、干ばつ状態に置かれたタバコが音を鳴らす頻度は1時間あたり11回、切り傷を付けられた場合は1時間あたり15回と、同じストレス要因でも植物の種類が違えば異なる結果が現れたとのこと。なお、対照群とされた無傷の作物は、それぞれ1時間あたり1回以下の頻度でしか音を鳴らしませんでした。

鳥や魚の生態乱す「ネオニコ」 人体からも

ネオニコチノイド系殺虫剤は、病害虫を駆除する目的で開発されました。昆虫の神経に作用して情報の伝達を乱し、虫の体を制御不能にする働きがあります。大きな特長として、昆虫以外の動物には働きにくい化学構造をもった殺虫剤であると言われてきました。

ウナギとワカサギの激減、殺虫剤が原因か、宍道湖

1993年5月、島根県の宍道湖付近の稲作農家がイミダクロプリドという殺虫剤を使いはじめた。同じ年、甲殻類や動物プランクトンなど、食物網の土台となる節足動物が減りはじめた。1994年の終わりには、これらを餌とするニホンウナギ(Anguilla japonica)とワカサギ(Hypomesus nipponensis)が激減した。そして、イミダクロプリドをはじめとするネオニコチノイド系殺虫剤の使用は年々増え続け、以後、魚の数は回復していない。

在胎期の農薬曝露により10代の脳活動が変化する

これまで、母親が、妊娠期間中、長期に亘って農薬に晒されることにより、先天性欠損症、学習障害など胎児の健康に悪影響を及ぼし、流産や早産、低出産体重児の要因になると報告されていた。カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」にて、妊娠期に母親が農薬、特に有機リン系農薬に晒された場合、子宮にいる胎児が農薬曝露を受け、脳の活動が変化すると発表した。脳の活動の変化は、成人期の脳イメージングを介して確認された。

アメリカのトウモロコシ栽培による大気汚染で毎年数千人の死者が出ているとの報告

トウモロコシ栽培は粒子状物質の排出につながります。これらはとても細かく、肺に入り込んで心臓にも影響を与えうる危険な汚染物質です。研究から判明したのは、トウモロコシ栽培に起因する死の71%を占めているのは肥料と堆肥の散布による粒子状物質の排出だった、という結果でした。

虫の羽音を聞く植物を発見、「耳」は花、研究

どんなに静かな日でも、この世界は音に満ちている。鳥のさえずり、風にそよぐ木の葉、忙しく働く虫の羽音。捕食者と獲物は、どちらも互いの存在に耳を澄ます。音は生命にとって、またその生き残りにとって、とても基本的な要素だ。そこで、イスラエルにあるテルアビブ大学の研究者リラク・ハダニー氏は疑問に思った。

植物は人間が触れた30分後にはゲノムを変えてしまう

植物は人・動物・昆虫などとのわずかな接触によっても遺伝的防御反応を示し、接触が繰り返されると成長が著しく阻害されることが研究で示されました。植物は接触から30分以内にゲノムが変わると研究者は述べています。植物の先端部分を毎日なでるなどすると、植物全体の成長が抑制されるという「接触形態形成」という現象は、これまでにも研究者が確認してきたところでした。また、植物が人間の接触を感じる様子は、オジギソウを触った時の反応からも見てとれます。